読めば聴きたくなる!『lynch.』の魅力を徹底解剖!~サウンド編~

音楽レビュー

おはニーハオ!

タンタンメンですよろしくお願いします!

 

 

 

今回は僕が大好きな『lynch.』

サウンドや使用機材なんかについて語りたいと思う。

 

最近興味を持った方や元々好きな方も

より楽曲を深く理解出来るし

「あーこれはこうなってたんだー」

と感じてもらえるかと思う。

 

読みながら実際に曲を聴いてみたりすると

今までになかった角度から楽曲を捉えられるので何倍も楽しめるので

是非イヤホンかスピーカーを用意してお付き合いいただきたい。

 

 

今回は2018.3.11の幕張メッセ国際展示場公演の際のインタビューと

過去のインタビューの記憶を頼りに書いていく。

各メンバー毎に触れていこう。

 

 

まずはギターの玲央さんから。

 

 

最近のライブはギターそのものを2本使い分けている。

これは弦楽器隊全員そうなのだが

昔の楽曲はローBチューニング、

【EXODUS】以降の楽曲はローA♯チューニングなので

その時期以前の楽曲か以降の楽曲かで

使うギター、ベースを変えている。

簡単な話が「pulse_」でジャーン!ってやってる音より

「DEVIL」でジャーン!ってやってる音の方が低いというわけである。

 

なので過去の楽曲の再録になっている

「DAZZLE」「I’m sick,b’cuz luv u.」

なんかは原曲よりチューニングが下がっている為

曲の雰囲気が原曲と違って聴こえる。

気になる方は【AVOIDED SUN】

【10th ANNIVERSARY】を聴き比べてみてほしい。

 

以前から玲央さんはギターの音作りに

相当なこだわりをもっている方だなーと思ってはいたが

今回久々に機材インタビューを読んで

より一層こだわりが強くなっていると感じた。

まず現在の音作りの基礎はこちら。

まずメインアンプは【KEMPER/ PROFILER POWER RACK

最近大人気なアンプ。

極端な話を言えば

この曲のクリーンな音色はあのアンプがいいけど激しい曲はこのアンプがいいなー

なんて無理難題を可能にするアンプである。

数年前に現れてから大人気でよく使っている方を見かける。

例えばあの高級アンプの音色、というものをダウンロードして記憶させ

その音のまま自分がギターを弾けるというわけである。

凛として時雨のTKさんなんかもこのアンプを使用している。

そしてこのアンプに入る前に

こちらを通しているようである。

ゴールデン・エイジ・プロジェクトの

PRE-73mk3

うーん、初めて見た(笑)

恐らく普通のバンドマンでは使わないような

マニアックな機材かと(笑)

以前ギターのスピーカーから

音を拾うマイクそのものが特殊と

インタビューで読んだことがあるのですが

もしかしたらそれに代わる何かなのかもしれない。

ちなみにその当時使っていた特殊なマイクは

(今は使っているかわかりませんが)

企業秘密だそうで握手会なんかでも教えてもらえなかった…

 

そしてこれは以前のインタビューからになるのだが

玲央さんがGULLETの活動を終えて

lynch.一本でいくと決めた時に持っていたギターを

全て大改造したらしいのだが

当時はそんなにダウンチューニングもしていなかった為

lynch.の低いチューニング用に相当な試行錯誤をしたんだとか。

まずlynch.初期のチューニングはローB。

普通はEが一番低いので2音半下げである。

slipknotや初期のGirugameshと同じチューニング。

 

通常の弦のままチューニングを下げると弦はダルダルになってしまい

ライブハウスで鳴らした時に音がぼやーっとして

何を弾いているのかよくわからないという現象が起きてしまう。

そのぼやぼやが嫌だったとのことで弦そのものを太くし、

太い弦がしっかりはまるように全部のギターの部品を削ったらしい。

そこを削るとその部分はもう戻せない。

「本当にいいんですか?」と聞かれた玲央さんは

「lynch.一本でいくんで」と男気溢れる返事で返したとのこと。

かっこよすぎる。

 

その他のエフェクターやアンプも全て見直したようだが

玲央さんはそれだけに飽き足らずギターのピックアップという

部品にもこだわっていた。

この部分。

音は低くなればなるほど聴こえるまでの時間が遅くなる。

その遅延が嫌だった玲央さんはコンマ何秒のズレを防ぐ為に

この部分のパーツを買っては持っているギターに乗せ換えて

弾いてみてということを繰り返していたそうな。

このピックアップは楽器屋さんで買わずに試すことが

出来ない部品なので1万円以上平気でする部品を

何個も買っては試しを繰り返していたということになる。

今ほど大きなステージに上がっているバンドマンならわかるが

当時バンド始動前にこれをやっていたのは本当に尋常じゃない。

本人も果てしなく投資したと言っていたぐらい…

さすが玲央さんと思わせてくれるエピソードである。

 

ちなみに右手もlynch.の為に鉄アレイで強化し

より心地よい低音を鳴らすために改善したそう…

本当にすさまじい…

 

 

 

続いて悠介さん。

玲央さんと双璧を成すギタリストなだけあるというか(笑)

かなり変人系のプレイとサウンドを奏でている。

空間系の音色を多用する方はかなり惹かれる部分があるのではないかと。

使用ギターは

SCHECTER AR-07

こちらが半音下げの最近の曲用

シグネチャーモデルの

SCHECTER AC-LY-YK/SIG

がレギュラーチューニング用です。

どちらも7弦ギターで3弦のみ半音下げにしている。

軽く調べてみたが同じチューニングを

している方はいなさそう。

 

アンプは

Marshall JCM2000

キャビネットがゲンツベンツの

GB212 Gフレックスを使用。

ヘッドはよくスタジオなんかに置いてあるこれ。

意外とヘッドアンプはオーソドックス。

キャビはドイツのブランドでかなりローが出るタイプ。

 

エフェクターボードを覗いてみたが

…初めて見るエフェクターばっかり(笑)

元々かなり空間系を多用したプレイではあったが

こんなに知らないエフェクターだらけとは…

いわゆるオーソドックスで人気のものはほとんど使っていない。

 

イヤホンで聴くとわかりやすいのだが

左耳側が悠介さんのプレイである。

【10th ANNIVERSARY】

「an illusion」を聴くとわかりやすい。

ド頭の浮遊感あるフレーズが悠介さん。

最近の作品でいうと【SINNERS】に収録されている

「KALEIDO」の左から聴こえる不思議なフレーズもそう。

 

 

このlynch.でよく使われる音について

こちらの動画で詳しく扱われている。

付点8分ディレイで美しいバッキングを弾こう!【ギターレッスン応用編】

楽曲の中だとギター単体でどうなっているのかわかりづらいがこんな感じである。

 

 

悠介さんはlynch.の中でも1人異質というか

見た目に関しても言えることなんだが

アンニュイな成分やおしゃれ成分を

見た目にも音にももたらしていると僕は思っていて。

 

葉月さんのエロスを増幅するフレーズメイクというか。

ライブでコーラスを担当されていることや

弾いているフレーズからも楽曲の広がりや

ライブでの完成度をグッと高めているのは間違いなく悠介さんである。

同期で声を流すよりメンバーがハモった方がよりライブ感が出るし。

 

僕自身今まで様々なバンドマンを見てきたが

悠介さんほど彩り豊かなギタリストを見たことがない。

今までlynch.を見たことがなかった友人の変態系ギタリストも

10周年の新木場公演を観に行って

「悠介さんやばい!!」

と珍しくテンション上がっていたぐらい(笑)

 

 

ギターの音は曲の中でも聴き取りやすいので

悠介さんと玲央さんのフレーズや音色の違いを

左右で聴き分けることが可能かと思う。

今までそんな聴き方したことがないなーって方も

これを機に是非左右に注意して聴いてみると面白いかもしれない。

イヤホンの右が玲央さん、左が悠介さん。

楽曲の下のほうをがっつり支えるようなフレーズが玲央さん。

その上で遊ぶようなフレーズの弾くのが悠介さん。

昔から知っている楽曲の今まで気づかなかった一面を

知ることができるかもしれない。

 

 

次にベースの明徳さんについて。

やはりベースもチューニングによって使い分けており

白が最近の楽曲用、黒が過去曲用。

 

明徳さんのベースは結構ブリブリと歪んでいるイメージが

メインの歪みサウンドはこちらで作っているとのこと。

 

Darkglass ElectronicsのB7K

ストレイテナーのひなっちさんもこちらを使用している。

 

 

アンプはこちら

tc electronicのRH750

 

あのKOЯNのフィールディーも使用しているアンプ。

やはりlynch.のようにギターの音質が低い位置に

あるバンドはベースの立ち位置が難しい。

低音を出したいけど出しすぎてしまうと音がぼやけ、

何を弾いているのかフレーズ感が見えなくなってしまう。

これぐらいパワーのあるアンプだとそのあたりも恐らく解消できるのではないかと感じる。

 

明徳さんは通称ぺチ男と呼ばれる程スラップをよく使う。

【D.A.R.K -in the name of evil-】に収録の

「INVADER」という曲の冒頭のぺんぺんなってるやつをスラップという。

参考動画貼っておこう。

【講座】ベースのスラップ奏法を解説してみた

このスラップ奏法大好きなベーシスト達は

このtc electronicのアンプをよく

使っているイメージがある。

先程も出てきたKOЯNやRIZEのkenkenさんもそうだと思う。

 

明徳さんは事件後黒夢の人時さんの下で

修行されたようで最新作のⅩⅢでは

機材よりもプレイで音を変えたりしているようである。

ベースは弾き方が音に大きく影響を与えるので

その辺りも最新作と以前の作品を聴き比べる時の参考にすると面白い。

 

やはり元々lynch.はボーカルの葉月さんが

ベースを自分でプレイしていたということもあり

ベースに対してかなりジャッジが厳しいと思うのだが

さすがそのジャッジを超えてくるだけあって

すごくクールなベースを弾くなーと。

それこそ【10th ANNIVERSARY】では

過去の葉月さんのフレーズと違う箇所が沢山あるし

明徳さん逮捕後の【SINNERS-EP】

復帰後の【SINNERS-no one can fake my blood-】

フレーズが全然違うので聴き比べはかなり楽しめる。

 

 

 

そして最後にドラムの晁直さんですが

意外とセットが少ない印象。

dw製のコレクターズメイプルセットを基盤に

シンバルは全てパイステで

カウベルが配置されている。

こちらの冒頭でなっているコンコン鳴ってる音の正体はカウベル。

 

CREATURE / lynch.

 

そしてドラムの大きな要とも言えるスネアを

この幕張公演あたりから変えたようで

今までのものより破裂音に近い音が鳴るものに変わっている。

確かに以前のタンッという音よりも

ッパーン!と破裂している感じがする。

全体的に細かいフィルも多く使われているが

最近の方が一打一打しっかり聴こえてくる。

 

一応スネアの材質が違うとこんな風に違うよっていう参考動画。

聴き比べ!TAMA 限定生産スネアドラム STARCLASSIC G-BUBINGA と SELECT WALNUT!

このカメラにメインで写っているのがスネア。

厚さや材質で随分と雰囲気が変わるのでドラマーの顔とも呼べるものである。

 

lynch.の弦楽器の音がごつく鳴っている中でも晁直さんのスネアは存在感があるし

早いフレーズを叩いても埋もれないし

聴き手側にとってすごくわかりやすい指標になると思う。

 

 

 

解説は以上。

こうして全パートを並べてみて思うのは

何気なく聴いているサウンドが

いかに綿密に作り込まれているかということ。

昨今のV系シーンではlynch.のように

チューニングを下げてシャウトしつつ

サビはメロディを歌うみたいなバンドがありふれている。

だがそんな中でもlynch.のレベルは他の追随を許さないというか。

自分達の世界観を最大限魅せる為の音やフレーズに対する意識が

他のバンドとは段違いなのだと思う。

もちろん!どこのバンドもプレイヤーも

自分なりにこだわりがあるとは思うのだが

普通の次元じゃないぐらいこだわっているだろうし

何より聴きやすさを追求していたり

聴き手側のことを大事に考えているが故に

この圧倒的なサウンドの秘訣なのではないかと思う。

暴力的で激しい楽曲でもすんなり耳に入ってくるような

ある種優しさすら感じるような攻撃的サウンドの源は

ファンのことを大事に思う気持ちなのかもしれない。

 

 

「この曲のこの音は一体なんなんだ…」

なんて疑問があるそこのあなた!

ツイッターでリプなどいただければ

出来る範囲でお答えするのでお気軽にどうぞ!

 

タンタンメンでした!

 

 

 

コメント

  1. […] 読めば聴きたくなる!『lynch.』の魅力を徹底解剖!~サウンド編~どうも!タンタンメンです! 今回は以前も書かせていただいた 大好きな『lynch.』の サウンドや使用機材なんかについ […]

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