おはニーハオ!
タンタンメンですよろしくお願いします!
今回はヘビロテしているDADAROMAの新譜のレビューを
元バンドマンの少しだけ踏み込んだ視点から書いていく。
2018/11/14発売になった【dadaism#4】
ドラムの裕介さん脱退後初となる作品。
『DADAROMA、復活』
大きく銘打たれた収録曲『トゥルリラ』のMV。
サムネだけでも既に狂気が見て取れる。
実際に聞いてみると極悪なヘヴィサウンドと
一度聴いたら忘れられないメロディが見事に共存している。
【DADAROMA】というバンドは
息が詰まるような切迫感の中で
人のトラウマを掘り返すような圧倒的現実感と
どこか他人事かのような異世界感が混じっていて
その中心を一度聴いたら口ずさめるメロディが
貫いているように思う。
『トゥルリラ』は過去の楽曲と比べても
バンドイメージに一番近い空気感があり
名刺代わりの一発にふさわしいと言えるだろう。
メンバーチェンジがあったことによる変化に触れていこう。
脱退した裕介さんに代わって加入した諒平さんは
元THE BLACK SWANのドラマー。
派手なことが大好きだった裕介さんのサウンドに比べると
スネアの音が太く重心が下がったような印象を受ける。
『トゥルリラ』のAメロ部分ではまるで鈍器で殴打されるような
重みのあるサウンドで突き進んでいく。
他のメンバーを後ろから問答無用で押していくような。
以前にも増してよしあつさんの声の浮遊感が引き立つというか。
今までより鳥肌が立つような不気味さが増していると感じた。
今回のMini Albumに収録されている他楽曲も解説していこう。
一周聴いた中で個人的に好きなのは
『部屋とブラジャーと私』。
【DADAROMA】の曲はサーカスっぽさがある曲が多く
この曲もイントロはそんな空気感だがサビに入るととてつもなく現実的。
ドラムは4つ打ちで軽快なはずなのに何故か息苦しくなるような
圧倒的な生々しさ。でもどこかフィクションぽいというか。
よしあつさんの放つ生々しいエロスは今のV系シーンの中でも随一だと思う。
そしてこの作品を味わう上で外せないのは最後に収録されている
『狼少年と毒林檎~piano ver.~』
原曲の段階だともっと御伽噺みたいな空気感だったのに
ピアノバージョンになって都会と森林が混ざり合ったような
複雑な情景を魅せてくれる。
オクターブ下でたっぷりと歌い上げるアレンジがとにかくエロい。
今回の作品は総じて「異様」だった。
元々【DADAROMA】が放つモノは最初から異様だったが
よりその不気味さに拍車がかかっていると感じた。
メンバーチェンジを経てこれから
より演奏力や表現力も高まってくると思うと末恐ろしいバンドである。
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